2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370004
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
佐渡 敬 National Institute of Genetics, 総合遺伝研究系, 助教 (70321601)
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Keywords | 遺伝学 / 発生・分化 / 遺伝子 / ゲノム |
Research Abstract |
父由来のXist^<IVS>アリルを受け継いだメス胎仔の胎盤におけるX染色体連鎖遺伝子の発現と野生型メスの胎盤におけるそれをマイクロアレーを用いて比較した.その結果,+/Xist^<IVS>の胎盤では野生型に比べX染色体連鎖遺伝子の発現が全体として有意に増加していた.このことは,+/Xist^<IVS>の胎盤ではXist^<IVS>をもつ父由来X染色体の不活性化が不完全であることを示唆する. +/Xist^<IVS>の胚盤胞よりTS細胞の作製を試み,4つ独立した株を樹立することに成功した.これらと野生型メスのTS細胞におけるXistの発現をRNA-FISHにより解析した結果,両者の間に有意な差は認められなかった.しかし,分化誘導後に同様の解析を行ったところ+/Xist^<IVS>のTS細胞ではXist陰性の核が野生型に比べ多いように思われた.まだ結論付けるには十分なデータが揃っていないものの,+/Xist^<IVS>のTS細胞では分化前後で,Xistの発現量,局在,あるいは安定性に差がある可能性がある.これらと胎盤でXist^<IVS>をもつ父由来X染色体の不活性化が不完全であることの因果関係について今後,さらに解析をすすめる.
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