2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370005
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
田中 誠司 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助教 (50263314)
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Keywords | DNA複製 / CDK / 細胞周期 / 複製開始 / DDK |
Research Abstract |
真核細胞の染色体DNA複製は、一回の細胞分裂周期につき一度だけ過不足なく起きるように厳密な制御を受けている。細胞は、1)S期に染色体DNA複製を開始させる活性と、2)染色体DNAの再複製を阻止する活性を巧妙に組み合わせることで、この制御を成立させている。本課題では「染色体DNA複製の開始反応」を分子レベルで理解することをめざし、解析を行ってきた。複製開始反応系に関わる因子は以下の4種類に大別できる。1)pre-RC(複製開姶前に染色体の複製開始点上に形成されるタンパク-DNA複合体)に含まれ、実際のDNA合成の場である複製フォークには含まれないもの、2)pre-RC、複製フォークの両方に含まれるもの(Mcm2-7)、3)pre-RC、複製フォーク共に含まれないが複製フォークの形成には必要なもの(Sld2,Sld3,Dpb11)、4)pre-RCに含まれないが、複製フォークには含まれるもの(Cdc45,GINS,Polε他)。本年度は、これらのうち、Dpb11とGINSの相互作用が複製開始に重要であることを示し、この相互作用に必要なアミノ酸残基を同定、さらには他の真核生物でも同様の制御機構が保存されていることを見いだした(投稿準備中)。また、上記3)4)の因子のうちいくつかのものは細胞あたりの分子数が染色体上の複製起点の数より少なく、S期開始以前のG1期においてそれらが不均一に複製起点に分布していることが、複製開始点の高次制御に関わること、この不均一な分布は複製開始に必要なタンパクキナーゼであるDDK(Dbf4-dependent kinase)により制御されているという新たな知見を得た。これらの結果は、新たな複製開始制御機構の発見であるばかりでなく、今後高次DNA複製制御を考える上で、意義深いものである。
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