2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺島 一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40211388)
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Keywords | パイプモデル / ダヴィンチの法則 / 枝の自律性 / 転流 / 同位体トレーサー実験 |
Research Abstract |
本研究は、枝成長に関するこうしたレベルの状況を越えるべく、枝間相互作用をC・N動態の詳細な解析に基づいて評価し、新たな樹木の成長モデルを構築しようとするものである。 昨年度に引き続き、樹木個体内でのCとNの動態を正確にとらえ、CとNの動態やそれらの相互作用に影響する可能性の高い環境・個体内要因を抽出することを目的とした研究を行った。材料としては、ウリハダカエデおよびコナラの鉢植え稚樹を用いた。 1.安定同位体のパルスチェイスを用いたC・Nの動態の測定法の検討。 ^<15>Nパルスチェイス実験法の確立根に^<15>NO_3^-を与えて、吸収された^<15>Nの動きを追う実験系の最適化を行った。当初開発を予定していた四重極マススペクトロスコピーを用いると、十分な精度がえら得られなかったので、通常の安定同位体比質量分析器を用いることにした。また^<13>Cラベルと同様に、個体内の1つの枝だけに^<15>Nラベルする方法、根系の一部にだけ^<15>Nを取り込ませ、1つの枝だけ^<15>N濃度を高くする方法、などを検討した。 2.稚樹を用いた操作実験によるC・N動態に影響する要因 鉢植え栽培したポプラ、コナラの稚樹を用いて、パイプモデル関係(葉量/枝断面積=一定)を撹乱する操作実験を継続した。 以上の結果をもとにして、ポプラやユーカリにおけるCやNの動態と、各葉や枝の性質との関連性を調べ、C動態やN動態に影響する可能性が高い環境要因・個体内要因を抽出することが今後の課題となる。
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