2009 Fiscal Year Annual Research Report
葉の生涯光合成からの群落総生産の推定 推定法の開発・検証・適用
Project/Area Number |
20370014
|
Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
菊沢 喜八郎 Ishikawa Prefectural University, 生物資源環境学部, 教授 (50271599)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅木 清 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (50376365)
|
Keywords | 二酸化炭素吸収 / 葉の生涯光合成 / 森林 / 総生産 / ブナ / ハンノキ / キクイモ / 光合成 |
Research Abstract |
落葉広葉樹林、ハンノキ林とブナを対象にして、申請書に記した計画に沿って、個葉の光合成速度の時間的推移、落葉量の季節的推移、葉の数の季節的推移等を調査した。このデータから、まずブナの葉1枚の生涯光合成量を推定した。推定値は3~5gg-1の値となった。すなわち、1グラムめ葉はその生涯に3倍から5倍程度の炭素を獲得していることが明ちかになった。これらから、ブナ林における年間総光合成量を推定した。これは炭素量換算で約25トン/ヘクタール・年と推定された。との値は従来伐倒等の方法で推定されたブナ林における総生産量の推定値のほぼ中央値を示す値であった。この報告は現在雑誌論文として投稿である。ハンノキ林については現在計算中である。 草本に関しては、キクイモ、ウバユリ等を対象にして、個葉の光合成の時間推移および、葉の数の時間推移を調査した。また常録広葉樹数種ならびにハンノキ、ブナについては葉の葉緑素の時間推移を調査した。また1枚の葉の光合成速度の時間的推移は、ある時点における群落の全ての葉の平均(空間的平均)と等しいとする葉群エルゴード仮説を提唱した。この仮説をキクイモ、オオイタドリ等数種の植物について検証した。おおまかには葉群エルゴード性が保たれていることが示きれた。との仮説に従えば、数枚の葉を継続測定することにより葉の生涯光合成量をし、葉の生涯光合成量から総生産を推定するという我々の手法が実体的根拠をもつことが示される。
|
Research Products
(3 results)