2011 Fiscal Year Annual Research Report
葉の生涯光合成からの群落総生産の推定 推定法の開発・検証・適用
Project/Area Number |
20370014
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
菊沢 喜八郎 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (50271599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅木 清 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (50376365)
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Keywords | 一斉開葉 / 順次開葉 / 葉の生涯被食量 / 森林被食量 / 光合成速度日中低下 / 標高別被食量 / 葉の生涯パフォーマンス / 自己被陰 |
Research Abstract |
技術的課題やこのプロジェクトにおいて発展した新概念の新しい分野への適用にも成果を得た。 葉の生涯光合成という概念を拡張すれば、一般に葉の生涯パフォーマンスを表現することができる。その一つとして、葉の生涯被食量という新しい概念を提唱した。この概念を熱帯山地林に適用し、標高別、立地別の年間被食量を推定した。これにより従来は無視されることの多かった、純生産量のうちの被食量について正確な推定値を得ることに成功した。標高別にみると、被食量は低標高地に多いなどの新しい知見を得た。 光合成速度の日中低下は、平均労働時間算出の大きな要素の一つであり、本研究においてきわめて重要な概念である。ブナについて光合成速度の時間的変化を測定し、樹冠内の位置によってその起こり方が異なることを示した。すなわち樹冠上部においては早くから日中低下が生じるが、樹冠内部では生じない。 ブナのような一斉開葉型の樹木では、シュート下部では自己被陰によって光合成速度が低下するが、シュートを傾けることが、自己被陰を避ける方策となる。順次開葉型の樹木においては、順次に葉を開くことが、自己被陰を避ける方策となることを明らかにするための3次元グラフィックモデルを用いて解析した。一斉開葉型樹木におけるシュートを傾けることの意義はあきらかであった。順次開葉においても、順次に葉を出現させることの有利性は検出されたが、その違いは大きくはなかった。 成果全体を総括するレポートを作成した。
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Research Products
(2 results)