2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物のアーキテクチャ:伸長成長と力学的安定性のトレードオフ
Project/Area Number |
20370015
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
廣瀬 忠樹 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (90092311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
彦坂 幸毅 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (10272006)
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Keywords | 植物のアーキテクチャ / 伸長成長 / 力学的安定性 / 資源利用 / 成長と繁殖 / 窒素 / 光 / 分枝自律性 |
Research Abstract |
植物の高さや分枝,葉の配置などの受光体制や力学的安定性に係わる植物の外部形態をアーキテクチャという。異なる光環境が植物のアーキテクチャに与える影響を,メタマーを単位にして解析する。メタマーとは1つの節間と葉から構成される植物成長の単位である。植物のアーキテクチャは伸長成長と力学的安定性のトレードオフによって決まることを仮説に,トレードオフが成立する機構を,メタマーの伸長成長と力学的安定性に係わる特性を解析することにより明らかにすること,およびアーキテクチャが植物の光合成,成長,繁殖に与える影響を明らかにすることを目的に研究を進めている。 東京農業大学の実験圃場(東京)に設置した網室において,ポットを用いてオオオナモミを1個体/ポットの割合で,一定の栄養を与えて砂耕栽培した。ポットの間隔を広くとることにより低密度個体,ポットを密に配置することにより高密度個体を得た。低密度と高密度の個体は同一の栄養条件で生育したが,受光量は異なる。これら個体について、個体の伸長成長と力学的安定性に係わるメタマーの特性を計測した。結果については(1)低密度、高密度個体の成長と窒素利用について論文をまとめ、現在投稿中である。植物のアーキテクチャは大きく異なったが、成長量に大きな差はなかったが窒素利用効率には大きな差があった。そのメカニズムを通常の成長解析と窒素利用効率の観点から解析した論文である。(2)メタマーの伸長と力学的安定性については現在データ解析中である。茎の弾性係数は茎の乾重密度と相関がある。群落個体は同一の乾重密度で比べると高い弾性係数をもつ。(3)前年度までに行ったシロザを用いた実験によって得られたメタマーレベルのデータ解析の結果をまとめた。群落個体と孤立個体のアーキテクチャの違い、光利用効率と窒素利用効率の違いを明らかにした。
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Research Products
(8 results)