2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規光受容体シアノバクテリオクロムファミリーの光受容機構の解明
Project/Area Number |
20370018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池内 昌彦 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20159601)
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Keywords | 光受容体 / シアノバクテリア / シアノバクテリオクロム / 走光性 / 補色順化 / フィコシアノビリン / 再構成 / 結晶構造 |
Research Abstract |
シアノバクテリアの光受容体シアノバクテリオクロムのTePixJと色素フィコシアノビリンの再構成を行い、光変換活性をもつ中間体を同定し、フィコビオロビリンへの異性化を実証した。また、光変換において第2の保存されたCys残基が可逆的に色素に結合解離することをFTIRで示した。これは色素結合ドメインが4種の異なる反応をもっていることを示している。フィコエリスリンを光合成色素としてもつNostocにおいて、その合成蓄積を調節している光受容体としてシアノバクテリオクロムCcaSとシグナル伝達因子CcaRを同定した。転写因子でもあるCcaRを破壊した株ではフィコエリスリンは合成されなくなり、CcaS破壊株では光応答は消滅したが一定量のフィコエリスリンが合成された。これは、緑色光でCcaSのキナーゼが活性化され、赤色光でホスファターゼが活性化ること、つまり2つの色の光を感知する光受容体であることを示している。Anabaenaの光受容体AnPixJの結晶化と構造決定に成功した。その構造は典型的なGAFドメインで、そのポケットにフィコシアノビリンが共有結合しており、全体の構造は既知のフィトクロムとよく似ていた。しかし、色素を上下から固定する残基は異なっており、ピロール環に配位する水分子がない代わりにAsp残基が配位していた。光異性化を起こすD環の配位構造も異なっており、独自の光変換の構造的特徴が明らかになった。好熱性シアノバクテリアの新規シアノバクテリオクロムTlr0924の光変換とともにGGDEFドメインのジグアニル酸シクラーゼ活性を確認し、青色光によってシクラーゼが活性化される、つまり、青色光受容体であることを実証した。
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Research Products
(5 results)