2008 Fiscal Year Annual Research Report
RNAレベルでの遺伝子発現制御からみた植物の体制維持の理解
Project/Area Number |
20370019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 雄一郎 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60183125)
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Keywords | ウイルス / ゲノム / RNA / ストレス / 発現制御 |
Research Abstract |
植物特有の遺伝子であるsuppresor of gene silencin3(SGS3)に焦点を当てる。シロイヌナズナSGS3の変異体は形態形成に異常を示し、一部のウイルスに対し抵抗性が低下する。先行研究により、SGS3はウイルス由来のRNAや、内在性のTAS遺伝子を前駆体とするsmallRNAの生合成に関わり、そのsmallRNAのサイレンシング機能によって形態形成やウイルス防御に関与することが明らかになってきた。SGS3はRNA dependent RNA polymerase6(RDR6)と協働してsmallRNAを合成する。このSGS3とRDR6は細胞質中にドット状に共局在し相互作用することがわかった。またSGS3とRDR6の局在はこれまで報告のあったmRNAの分解や貯蓄を担うRNAサイレンシングの場であるPr。cessing-b。dy(P-body)や、ミトコンドリア、色素体などのオルガネラとも異なる新規な構造体であることからSGS3/RDR6-b。dyと名付けた。AGO1-Flagを発現する植物を作製し、免疫沈降法によりAGO1と結合するタンパク質群の精製を行った。そして、そのタンパク質群を質量分析にかけた結果、2種類の候補タンパク質を検出した。そこでこの遺伝子のクローニングを行い、細胞内局在を観察するため、蛍光タンパク質と融合させた形で、アグロインフィルトレーション法を用いて発現させ、細胞内局在を蛍光顕微鏡で観察した。その結果、両タンパク質ともに細胞質で穎粒状に局在していた。AGO1はmRNAの分解の場であるP-bodyに局在することが報告されている。P-bodyマーカーであるDCP1との共発現について調べると、2つのAGO1相互作用タンパク質はDCP1と共局在する事が観察された。
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