2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370021
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木下 俊則 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (50271101)
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Keywords | 気孔孔辺細胞 / 青色光 / 乾燥ストレス / アブシジン酸 / 細胞膜プロトンポンプ / フォトトロピン / シロイヌナズナ / オーキシン |
Research Abstract |
本研究では、気孔孔辺細胞を用いた生理・生化学的解析や新奇の気孔開度変異体の解析を進めることによって、青色光による気孔開口のシグナル伝達の分子機構を明らかにすることを目的として研究を行ってきた。まず、気孔開口の駆動力を形成する細胞膜プロトンポンプの活性調節機構についての解析を進め、活性制御に関与するキナーゼとボスファターゼがH^+-ATPaseと共に細胞膜に局在しており、キナーゼは一般的なキナーゼ阻害剤(K-252a)に対して非感受性であり、その活性には細胞膜構造が必要であること、一方、ホスファターゼは、Mg-依存性のタイプ2Cボスファターゼ(PP2C)であり、H^+-ATPaseと複合体を形成していることが明らかとなった。現在、これら分子の同定に向け、解析を進めている(Hayashi et al.2010)。次に、気孔孔辺細胞におけるプロトンポンプのリン酸化状態を、従来行われていた大量の植物からの孔辺細胞の単離を行わずして、一枚の葉を用いて免疫組織化学的に検出を行う方法を確立し、免疫組織法では単離孔辺細胞よりもより生理的な条件での青色光応答を検出ことができることを示した。さらに、この手法を大量育成の難しいABA非感受性変異体に適用し、解析を行った結果、青色光に依存したH^+-ATPaseのリン酸化のABAによる阻害が、ABA受容体PYR/PYL/RCARを介したシグナル伝達により行われていることを見出し、青色光とABAのシグナル伝達のクロストークの一端が明らかとなってきた(論文投稿中)。また、孔辺細胞に特異的に発現する遺伝子の同定を進め、7つの候補遺伝子を得た。これまでに、これら遺伝子の機能については報告されておらず、今後は、これら遺伝子の気孔開閉における機能解析を進めていく予定である。
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Research Products
(18 results)