Research Abstract |
植物ペルオキシソームの新規機能を明らかにするため、植物各組織で発現するペルオキシソームタンパク質遺伝子のトランスクリプトーム解析を行い、ポリアミンオキシターゼ遺伝子AtPA04がペルオキシソーム酵素遺伝子として根組織で特異的に発現していることを明らかにした。大腸菌で発現させたAtPA04タンパク質はスペルミンからスペルミジンへの変換を触媒することが明らかになった。AtPA04遺伝子破壊株や抑制株において、スペルミジンの含量が減少しているのに対し、スペルミンの含量が増大していた。このことからAtPA04は根組織のペルオキシソーム酵素としてポリアミンの異化に関わっていることが示唆された。また、AtPA04欠損株のトランスクリプトーム解析から、ポリアミン異化が乾燥ストレスやフラビンの合成に関与していることが明らかとなった。 植物の各組織におけるペルオキシソームの役割を明らかにするため、ペルオキシソーム形成因子抑制変異株を作成した。22種類のペルオキシソーム形成因子抑制変異株(Pex1,2,3-1,3-2,4,5,6,7,10,11a,11b,11c,11d,11e,12,13,14,16,17,19-1,19-2,22)の解析から、植物体の形態に変化を生じたものを選別した。Pex10抑制変異株は葉の黄化や花器官の融合がみられることが判明しこれらの形態変化を引き起こすペルオキシソームの役割を解析している。
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