2008 Fiscal Year Annual Research Report
隔年開花種コダチスズムシソウと毎年開花種オキナワスズムシソウの一方向交雑の解析
Project/Area Number |
20370032
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
邑田 仁 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 助教 (90134452)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東馬 哲雄 (大井 哲雄) 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (10376527)
|
Keywords | 植物 / 進化 / 分類 / 植物相 / ヒマラヤ / 分子系統 / 日華植物区糸 / フィールド調査 |
Research Abstract |
奄美大島を除く奄美群島と沖縄島北部に分布し、毎年開花する多年草であるStrobilanthes tashiroiオキナワスズムシソウ(以下オキナワ)と沖縄島中部・北部に分布し6年周期で開花して枯れる1回繁殖型多年草S.glanduliferaコダチススムジソウ(以下コダチ)を対象とし、形態比較と生育環境調査、DNA多型に基づく系統学的・集団遺伝学的解析に加え、集団内での送粉者による花粉流動の観察、形成される種子の発芽実験、交配実験などを行うことにより、オキナワ×コダチの交雑で生じたと考えられる推定雑種の形成プロセスを詳細に検討し、形成された雑種が独立種として確立する雑種種分化が生じているのかを明らかにすることを目的として研究を進めている。 野外調査は2008年12月、2009年1月、2月に行なった。12月の野外調査では、沖縄本島におけるオキナワとコダチの分布域を詳細に調べた。1月の野外調査では、石垣島、西表島、久米島、伊平屋島、沖縄本島においてDNA多型解析および花粉観察用のサンプルを採取し、外部形態の測定を行なった。2月の野外調査では、沖永良部島、徳之島、沖縄本島においてDNA多型解析および花粉観察用のサンプルを採取し、外部形態の測定を行なった。沖縄本島ではポリネーター観察を行なった。 遺伝的な解析については、葉緑体DNAおよび核DNAの系統解析に有効な領域のスクリーニングを行ない、いくつかの領域を用いて交雑の可能性を調べている。 高精度実体顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いて花粉観察を行ない、推定雑種を認識した。 以上の結果、来年度に起こる予定のコダチの一斉開花で、どのように交雑が起こるかを追求する準備が調つてきた。
|