2010 Fiscal Year Annual Research Report
フェレドキシン依存性ビリン還元酵素群による多様なビリン色素合成の分子機構の解明
Project/Area Number |
20370037
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福山 恵一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80032283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 康弘 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10154874)
和田 啓 大阪大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (80379304)
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Keywords | ビリン色素 / X線結晶解析 / 光合成色素 / クロロフィルの分解 / 酵素反応機構 / PcyA / RCCR |
Research Abstract |
PcyAはヘムの代謝産物であるビリベルジンIXα(BV)をフェレドキシン依存的に還元し、光合成や光応答に利用されるテトラピロール色素、フィコシアノビリン、を合成する。PcyAはBVのD環のexo-ビニル基を還元した後、A環のendo-ビニル基を還元する特徴を持っており、BVの方向を厳密に区別して結合する。ところが、BVの認識に強く関与しているとは考えていなかったVal225をAspに置換したところ、この変異体PcyA-BVの吸収スペクトルに変化が見られた。この変異体PcyA-BVの結晶構造を決定したところ、BVが裏返って結合し、しかも野生型PcyAと異なりBVを結合してもinduced fitを起こしていなかった。この結果は変異体蛋白質の構造機能解析に警告を与えた。また、BVをPcyAとは異なる部位を還元するシアノバクテリア由来のビリベルジン還元酵素を発現・精製・結晶化した。この結晶とSe-Met体の回折実験を行った。 一方、クロロフィル分解系で主要な酵素、red chlorophyll catabolite reductase(RCCR)、の基質(RCC)結合型の結晶構造を決定した。さらに、RCCRのPhe218をValに置換した変異体、およびそのRCC結合型の結晶構造をも決定した。これらの構造情報を総合して、RCCRの活性残基を推定すると共に、変異に伴い反応生成物の立体構造が変わる理由を示した。また、RCCRによるRCCの還元部位がRCCの中央部にあることを反映して、PcyAとは異なり、RCCRが基質をルーズに結合している必然性に説明を与えた。
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Research Products
(14 results)