2008 Fiscal Year Annual Research Report
膜貫通型蛋白質マイクロゾーマルプロスタグランジンE2合成酵素1のX線結晶構造解析
Project/Area Number |
20370042
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吾郷 日出夫 The Institute of Physical and Chemical Research, 宮野構造生物物理研究室, 専任研究員 (70360477)
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Keywords | 膜蛋白質 / 結晶化 / X線結晶構造解析 / 酵素活性 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
1初期的な結晶学的解析ができるマイクロゾーマルプロスタグランジンE_2合成酵素(mPGES1)の結晶を再現性良く作れるようになった。研究開始時点では、CBB染色のSDS電気泳動で単一バンドの精製度で、活性を保ったmPGES1を得る発現精製条件と、針状微結晶を得る結晶化条件が判っていた。本年度は、結晶の質を指標にして、発現精製条件、結晶化条件の精密化を行った。その結果、大型放射光施設SPring-8のビームラインBL26B1、BL26B2で、最高分解能4.5Å、平均で6Å分解能程度の回折点が見られる結晶を再現性良く作ることができるようになった。回折強度データの自己回転関数解析の結果は、電子線回折解析の結果と矛盾しなかった。等方的に3.5Å分解能より良い分解能の回折点を与える結晶を作る事が、X線結晶構造解析に必要である。この方向で順調に分解能が向上した。 2高品位結晶を作るために必須な酵素活性測定法をRIなしで構築した。発現精製条件の最適化、さらに結晶化条件の最適化では、様々な段階で蛋白質の活性を調べることが肝要である。mPGES1より安定で大量に調達できるロイコトリエンC_4合成酵素を材料として、酵素活性試験の方法の検討を行い酵素活性測定法を確立した。この方法をmPGES1に最適化し、RIを使わない高速液体クロマトグラフィーによって、mPGES1の酵素活性測定を行う試験系を構築した。 3mPGES1認識モノクローナル抗体産生細胞を作った。親水領域が小さいmPGES1のような膜蛋白質の場合、モノクローナル抗体を用いた親水性領域の拡大が良質な結晶を作るときに有効であると考えられている。精製したヒトmPGES1を使い、mPGES1認識モノクローナル抗体産生細胞株を作り、立体構造認識能などの観点で評価を行った。
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Research Products
(1 results)