2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370044
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
的崎 尚 Gunma University, 生体調節研究所, 教授 (80252782)
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Keywords | シグナル伝達 / 生体分子 / 蛋白質 / 脳・神経 / 免疫学 |
Research Abstract |
研究代表者は、新たな細胞間シグナル伝達システムであるCD47-SHPS-1系を見出している。SHPS-1とCD47は各々の細胞外ドメインを介して相互作用することにより両方向性にシグナルを伝える。研究代表者は、CD47-SHPS-1系がマクロファージによる貪食機能、神経シナプス機能などの制御において、重要な細胞間シグナル伝達機構であること明らかにしている。そこで、本研究においては、中枢神経機能、免疫機能などにおけるCD47-SHPS-1系の生理的機能と病態への関与をさらに明らかにすることを目的とし検討を行った。その成果を、以下に列記する。 (1) マウスの行動実験の1つである強制水泳試験において、SHPS-1 KOマウスが無動時間の延長(うつ傾向)を示すことを見出した。また、強制水泳により脳の広い領域においでSHPS-1のチロシンリン酸化が誘導されること、Srcファミリ-キナーゼがこのチロシンリン酸化に重要であることを明らかにした。CD47 KOマウスにおいても無動時間の延長が観察され、CD47-SHPS-1系がうつ様行動の制御に重要であることが示唆された。 (2) SHPS-1は樹状細胞に強く発現するが、SHSP-1 KOマウスの2次リンパ組織ではCD11c陽性CD8陰性樹状細胞が顕著に減少していることを見出した。CD47 KOマウスにおいても同様な所見が観察され、骨髄キメラマウスなどを用いた種々の検討からDC上のSHPS-1と非血球細胞上(おそらくはストローマ細胞など)のCD47の相互作用が樹状細胞の恒常性維持に必須の役割を果たしていることが示唆された。
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