2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370044
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
的崎 尚 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (80252782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 浩史 群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (70334125)
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Keywords | シグナル伝達学 / 生体分子 / 蛋白質 / 脳・神経 / 免疫学 |
Research Abstract |
研究代表者は、新たな細胞間シグナル伝達システムであるCD47-SHPS-1系を見出している。 SHPS-1とCD47は各々の細胞外ドメインを介して相互作用することにより両方向性にシグナルを伝える。研究代表者は、CD47-SHPS-1系がマクロファージによる貪食機能、神経シナプス機能などの制御において、重要な細胞間シグナル伝達機構であること明らかにしている。今年度はさらに、中枢神経機能と免疫機能におけるCD47-SHPS-1系の生理的機能と病態への関与をさらに明らかにすることを目的とし検討を行った。その成果を、以下に列記する。 (1)CD47とSHPS-1は共に中枢神経系に高度に発現する。SHPS-1遺伝子破壊(KO)マウスが、うつ状態を判定する行動実験である強制水泳テスト(Forced Swim Test, FST)において強いうつ傾向を示すことを見出した。さらに、FSストレスにより脳内SHPS-1が強くチロシンリン酸化されることを明らかにした。CD47 KOマウスもFSTにおいてうつ傾向を示し、FSストレスによるSHPS-1のチロシンリン酸化が極度に低下していたことから、CD47-SHPS-1系は、脳においてストレスを感知しうつ状態の制御に関与していることが明らかとなった。 (2)SHPS-1は獲得免疫系の活性化に重要である樹状細胞(DC)に強く発現する。DCに発現するSHPS-1とDCの生存維持に重要とされるストローマ細胞上のCD47との相互作用が2次リンパ組織におけるDCの生存を制御しDCの恒常性維持にも重要であることを明らかにした。
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