2008 Fiscal Year Annual Research Report
インテグリンによる基底膜識別機構とそれに共役した細胞内情報伝達機構の解析
Project/Area Number |
20370046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関口 清俊 Osaka University, たんぱく質研究所, 教授 (50187845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雅司 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (90304055)
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Keywords | 基底膜 / 細胞外マトリックス / インテグリン / ラミニン / ネフロネクチン / テトラスパニン |
Research Abstract |
1. Arg-Gly-Asp (RGD)配列を認識するインテグリンの一つであるα8β1は、様々なRGD型インテグリンリガンドの中でもネフロネクチンに対して高い特異性を示す。このリガンド認識特異性がどのように規定されているかを、様々なネフロネクチン変異体を作製して検討した。その結果、(i)分子中央部の“リンカー領域"がインタクトなネフロネクチンとほぼ同等の高い結合特異性と結合親和性を示すこと、(ii)この領域の中でもRGD配列を含む23アミノ酸残基だけでその高い特異性が発現することを見いだした。さらに、この高い特異性はRGD配列の約10アミノ酸残基下流にあるLFEIFEIER配列により規定されていることを明らかにした。 2.基底膜の主要なインテグリンリガンドであるラミニンには、サブユニット組成が異なる15種のアイソフォームの存在が知られている。我々は、β2鎖を含むラミニンがβ1鎖を含むラミニンよりもインテグリンα3β1に対して高い結合親和性を示すことを最近見いだした。このようなβ2鎖ラミニンに対する結合選択性が他のインテグリンでも認められるかを調べたところ、α7X2β1では同様のβ2鎖ラミニンへの選択性が観察されたものの、α6β1やα7X1β1ではそのような選択性は認められなかった。β2鎖ラミニンに選択性を示すα3β1は、α7X2β1と同様、“X2型可変領域"をもつインテグリンであり、選択性を示さないα6β1はα7X1β1と同様“X1型可変領域"をもつインテグリンであることから、X2型可変領域をもつインテグリンだけがβ2鎖ラミニンに対して高い結合親和性を示すと予想される。この可能性を検証するため、天然には存在しないα6X2β1を作製し、そのリガンド結合活性を検討したところ、予想通りβ2鎖ラミニンに対して高い結合親和性を示すことが確認された。
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