2010 Fiscal Year Annual Research Report
インテグリンによる基底膜識別機構とそれに共役した細胞内情報伝達機構の解析
Project/Area Number |
20370046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関口 清俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雅司 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (90304055)
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Keywords | 基底膜 / 細胞外マトリックス / インテグリン / ラミニン / ネフロネクチン / テトラスパニン |
Research Abstract |
1. ラミニンを構成する3本のサブユニット鎖(α鎖、β鎖、γ鎖)がどのように会合して活性型ヘテロ3量体になるかを、特にβ-γ2量体とα鎖の会合過程に注目して解析した。具体的には、α鎖とβ-γ2量体がcoiled-coil構造により3量体を形成する際、α鎖がβ-γ鎖のどの部位からcoiled-coil構造とりはじめるかを、人為的に導入したシステイン残基間の架橋の有無により検索し、α鎖とβ-γ2量体の相対配置を決定することに成功した。 2. これまで生理的なリガンドが未だ同定されていないインテグリンα9β1に注目し、その生理的なリガンド分子を探索した。具体的には、マウス凍結組織切片を用いるインテグリンリガンドのin situ検出法を利用してα9β1リガンドの局在部位を検索し、胃や小腸の粘膜下固有層にα9β1リガンドが豊富に存在することを見いだした。また、α9β1リガンドとして知られているテネイシンの発現部位を免疫組織化学的に調べ、α9β1リガンドと比較的共局在することを確認した。しかし、精製α9β1インテグリンはテネイシンには弱い親和性しか示さないことから、これ以外のα9β1リガンドが存在する可能性が示唆された。 3. ラミニンを固相化した基質上に接着・伸展させた細飽を1mM EGTAを含む生理的緩衝液で剥離すると、基質接着部位を含む"細胞の足底"(SAM ; substrate-attached material)が培養基質上に残る。このSAMにCD151やCD9等のtetraspanin蛋白質が濃縮されることを見いだした。また、"tetraspanin-enriched SAM"画分に回収される蛋白質をLS-MSを用いる質量分析により網羅的に解析し、calnexinとsequestosome-1が当該画分に含まれることを明らかにした。
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