2008 Fiscal Year Annual Research Report
IL-6/IL-12関連サイトカインによる免疫制御
Project/Area Number |
20370049
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
善本 隆之 Tokyo Medical University, 医学部, 教授 (80202406)
|
Keywords | IL-27 / Tr1 / IL-10 / STAT1 / STAT3 |
Research Abstract |
IL-27の細胞増殖の誘導および阻害する作用機序について、種々の遺伝子欠損マウスや遺伝子導入細胞を用いて検討した。その結果、細胞増殖の誘導にはgp130/STAT3を介したc-MycやPim-1等の増殖誘導に関与する分子の発現誘導により、さらに、細胞増殖の抑制にはWSX-1/STAT1を介した腫瘍の増殖抑制作用を有するIRF-1の発現誘導により、巧妙に制御されていることが明らかになった。 一方、昨年、IL-27の免疫抑制作用の作用機序の1つとしてIL-10産生を介していることが複数のグループより報告された。その中で、Weiner(Harvard University)らは、樹状(DC)細胞をTreg細胞で刺激すると、いわゆる制御性DC様の修飾されたDC細胞になり、この修飾DC細胞でナイーブCD4^+T細胞を刺激するとIL-10を産生する制御性T(Tr1)細胞が誘導され、その際、修飾DC細胞からIL-27が産生されことが重要であることを報告した。そこで、今年度は、IL-27によるTr1細胞の誘導能について既知のIL-10で刺激する方法やデキサメタゾンとビタミンD3で刺激する方法等と比較検討した。その結果、IL-27とTGF-β1で刺激するのが一番効率よくIL-10産生細胞を分化誘導し、in vitroおよびin vivoにおいて制御活性を有しているTr1を分化・増幅させることが可能であることが明らかになった。この細胞は、Treg細胞が発現する転写因子Foxp3発現は低く、IL-10の他にIFN-γも産生していた。さらに、この細胞を、喘息モデルマウスに細胞移入すると、喘息の発症を軽減することも示された。この方法により増やしたTr1細胞を用いた細胞療法への応用が期待される。
|