2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370050
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
多賀谷 光男 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 生命科学部, 教授 (30179569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 彰宏 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (40251441)
有光 なぎさ 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (40408688)
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Keywords | 組織・細胞 / 小胞体 / 蛋白質 / 膜輸送 |
Research Abstract |
SNARE (SNAP receptor)は細胞内膜融合を司るタンパク質であり、ターゲット膜に存在する分子種(t-SNARE)と小胞に存在する分子種(v-SNARE)が存在する。t-SNAREからは3本、v-SNAREからは1本、合計4本のα-ヘリックスが強固に結合することで小胞とターゲット膜の融合が引き起こされると考えられている。会合したα-ヘリックスの中心領域にはグルタミンまたはアルギニンが存在することから、SNAREはQ-およびR-SNAREに分類されることもある。膜融合後、α-SNAPを介してシャペロン様ATPaseであるNSFがSNARE複合体に結合し、ATPの加水分解エネルギーを利用して複合体を解離させる。我々は、小胞体に局在するt/Q-SNAREであるsyntaxin18 (Syn18)を見い出し、Syn18が種々のタンパク質と複合体を形成していることを明らかにした。本研究ではSyn18の機能をRNAi法によって調べた。 Syn18の発現が抑制されると、粗面小胞体と滑面小胞体は解離し、滑面小胞体は凝集してパッチ状の構造体を形成した。またこの時、COPII小胞(小胞体からのタンパク質順行輸送を仲介)が形成される小胞体出芽部位の構造も大きく変化した。これらの変化は、ゴルジ体から小胞体への逆行輸送を促進する薬剤であるブレフェルジンAの添加で回復したので、逆行輸送が関与していると考えられる。本研究によって、Syn18が小胞体出芽部位の構築にも貢献していることが示唆された。また今までまったく不明であった粗面小胞体と滑面小胞体の構造維持に、逆行輸送を介してSyn18が関与していることも判明した。 研究協力者:木榑猛(東京薬科大学・生命科学研究科・博士後期課程院生)
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