2008 Fiscal Year Annual Research Report
硫酸化修飾のPAPS輸送体制御による統合的機能解析
Project/Area Number |
20370051
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
西原 祥子 Soka University, 工学部, 教授 (00164575)
|
Keywords | 糖鎖 / 硫酸化 / 蛋白質 / 発生・分化 / PAPS輸送体 |
Research Abstract |
硫酸化修飾は翻訳後修飾の一種であり、モルフォゲンの分布の決定やリガンド分子の受容体への結合などに際し、重要な機能を果たしている。2種のPAPS輸送体(PAPST)が存在し、これらは様々な硫酸転移酵素にドナー基質を供給して硫酸化を制御している。本研究では、PAPSTのノックアウトマウスとRNAiノックダウンES細胞を併用して機能解析を行い、硫酸化修飾の役割を明らかにする。本年度は、以下の解析を行った。 1.PAPSTコンディショナルノックアウトマウスの作製 PAPST1については、コンディショナルノックアウトに用いるfloxedマウスの作製を行い、floxedマウスの候補が得られた。また、PAPST2のゲノム配列をターゲッティングベクターに組み込み、PAPST2ノックアウトマウス作製の準備を行った。 2.PAPST1、PAPST2 RNAiノックダウンES細胞株の解析 2種のマウスES細胞株において、PAPST1、PAST2を一過性にRNAi法によりノックダウンし、ES細胞の未分化性、多能性維持について解析を行った。両者のノックダウンにより、アルカリフォスファターゼ陽性コロニーの減少、Nanog、Oct3/4の低下が認められ、PAPST1、及び、PAPST2がマウスES細胞の未分化性維持に重要な働きを持つことが明らかになった。また、増殖性の低下も認められ、増殖においても重要な働きを持つことが示された。さらに、両者の安定RNAiノックダウンES細胞株を作製した。三胚葉へ分化させたところ分化の異常が認められ、両者が各胚葉の分化にも関わっていることが分った。
|