2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370051
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
西原 祥子 Soka University, 工学部, 教授 (00164575)
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Keywords | 糖鎖 / 硫酸化 / 蛋白質 / 発生・分化 / PAPS輸送体 |
Research Abstract |
硫酸化修飾は翻訳後修飾の一種であり、モルフォゲンの分布の決定やリガンド分子の受容体への結合などに際し、重要な機能を果たしている。2種のPAPS輸送体(PAPST)が存在し、これらは様々な硫酸転移酵素にドナー基質を供給して硫酸化を制御している。本研究では、PAPSTのノックアウトマウスとRNAiノックダウンES細胞を併用して機能解析を行い、硫酸化修飾の役割を明らかにする。本年度は、以下の解析を行った。 1.PAPSTコンディショナルノックアウトマウスの作製 得られたPAPST1 floxedマウスの候補について検討を行った。 2.PAPST1、PAPST2 RNAiノックダウンES細胞株の解析 2種のマウスES細胞株において、PAPST1、PAPST2を一過性にRNAi法によりノックダウンし、どのようなシグナルがES細胞の未分化性、多能性維持の低下に関与しているか、検討を行った。両者のノックダウンES細胞では、Wnt、BMPシグナルが低下しており、これらが、未分化性、多能性維低下の原因であることが明らかになった。すなわち、硫酸化修飾が、Wnt、BMPシグナルを介して、マウスES細胞の未分化性、多能性維持に関与していることがわかった。さらに、ヘパラン硫酸の硫酸化に関与する硫酸転移酵素をノックダウンしたところ、同様な効果が認められた。この事実から、マウスES細胞においては、コンドロイチン硫酸ではなく、ヘパラン硫酸の硫酸化修飾が重要な働きをしていることが、示された。
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