2009 Fiscal Year Annual Research Report
中枢異常を伴う筋疾患の原因となる酵素群の構造機能解析
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20370053
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
加藤 龍一 High Energy Accelerator Research Organization, 物質構造科学研究所, 准教授 (50240833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 玉夫 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター, 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (30168827)
川崎 政人 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (00342600)
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Keywords | 糖鎖修飾 / 筋ジストロフィー / ジストログライカン / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
ジストログリカンの糖鎖修飾異常による筋ジストロフィーの原因遺伝子産物の構造機能解析を行っている。POMGnT1については、昆虫培養細胞を用いた細胞内発現系では発現はするが沈殿画分であった。そこで、細胞外分泌系での発現実験を行ったが、ほとんどのもので発現は見られず、見られたものの発現量も極めて少量であり結晶化に供するには不十分であった。現在、これらコンストラクトが大腸菌で発現するかどうかのチェックを行っている。 POMT1あるいはPOMT2のAsnを1ヶ所置換しても、POMT活性には影響しなかった。しかし、POMT1かPOMT2のどちらか一方のAsnを全て置換することでN結合型糖鎖を欠失させたところ、POMT活性は完全に消失した。また、糖鎖を欠失したPOMT1-POMT2複合体は不溶性になることが明らかとなった。同様に、型糖鎖修飾の阻害剤であるツニカマイシンで処理した細胞に発現させたPOMT1とPOMT2も不溶性となりPOMT活性は消失した。以上の結果から、POMT1とPOMT2の型糖鎖はPOMT活性に必要であることが明らかとなり、構造解析を進める上で大変有用な情報となった。 ゼブラフィッシュは、遺伝子操作が簡易である、繁殖しやすい、表現型を解析しやすい、だけでなく、タンパク質の大量生産のためのホスト動物のひとつとしても期待されている。そこで、ゼブラフィッシュの哺乳類O-Man転移酵素オルソログと考えられる、zPOMT1、zPOMT2の生化学的性質を解析した。POMT活性にはzPOMT1とzPOMT2を共発現する必要があった。哺乳類のPOMTと同様のメカニズムがあることが明らかとなり、複合体形成による活性発現機構が種を越えて保存されていた。今後ゼブラフィッシュによるzPOMT1とzPOMT2の発現は、機能膜タンパク質の構造解析に向けた有力な大量発現系であると考えられる。
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Research Products
(4 results)