2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内カルシウム濃度変動の時空間パターン形成の分子機構の解析
Project/Area Number |
20370054
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
道川 貴章 The Institute of Physical and Chemical Research, 発生神経生物研究チーム, 副チームリーダー (90282516)
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Keywords | イノシトール三リン酸 / 蛍光共鳴エネルギー移動 / イオンチャネル / カルシウム |
Research Abstract |
四量体イノシトール三リン酸(IP_3)受容体チャネルのリガンド結合による構造変化を分子間蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)効率の変化により可視化し、IP_3およびCa^<2+>という2種類のリガンドにより活性が制御されているIP_3受容体チャネルの開口制御機構を解析した。青色蛍光タンパク質ECFPもしくは改変黄色蛍光タンパク質Venusをアミノ末端に融合したIP_3受容体、およびECFPもしくはVenusをカルボキシ末端に融合したIP_3受容体を作成し、ECFP融合タンパク質とVenus融合タンパク質をそれぞれ1種類ずつ同一細胞に発現させた。ECFPおよびVenusの蛍光シグナルにより2種類の蛍光タンパク質/IP_3受容体融合タンパク質を同時に発現する細胞を同定し、遊離Ca^<2+>濃度を正確に制御した細胞内溶液を灌流させた後に定常状態に達したECFPおよびVenusの蛍光強度を蛍光倒立顕微鏡を用いて測定した。測定されたECFPおよびVenusの蛍光強度の比を取り、IP_3受容体チャネルのアミノ末端同士(もしくはカルボキシ末端同士、もしくはアミノ末端とカルボキシ末端)にECFPおよびVenusを融合させたサブユニットを含む四量体IP_3受容体チャネルのFRET効率を測定した。同様の実験をさまざまな濃度のCa^<2+>およびIP_3存在下で行ったところ、IP_3受容体のチャネル開口は膨張と収束という相反する構造変化を併せ持つことが明らかとなった(論文投稿準備中)。
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