2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370060
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河村 悟 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (80138122)
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Keywords | 桿体 / 錐体 / トランスデューシン / ホスホジエステラーゼ / レチナール |
Research Abstract |
平成22年度は下記の成果を得た。 1.錐体で活性型トランスデューシン生成過程の迅速な測定:錐体ではトランスデューシンの活性化が非常に早く進行する。迅速反応停止装置を使って測定した結果、視物質のリン酸化が生じる条件では測定限界(光照射後150msec)よりも早く反応が完了することがわかった。 2.錐体でトランスデューシンによる活性型ホスホジエステラーゼの生成効率が低い理由の検討:検討の結果、活性型トランスデューシンがホスホジエステラーゼを活性化する効率は桿体と錐体とで違いはないことが明らかになった。恐らく、活性化されたトランスデューシンの寿命が錐体では短く、それが理由で錐体ではホスホジエステラーゼの活性化が低いのであろうと推測している。 3.桿体と錐体とにおける光応答回復が違う理由の解明:トランスデューシンの不活性化は錐体の方が早いことが分かったのでそのメカニズムを検討した。トランスデューシンの不活性化を促進する蛋白質であるRGS9の発現量が錐体では圧倒的に多いことによると判明した。 4.明るい所で大量に生成する槌色産物の処理:視物質から放出されるオールトランスレチナール(細胞毒性を持つ)の処理のためにAL-肌酸化還元反応と名付けた反応が錐体特異的に関与する可能性を示している。反応の基質特異性について検討した結果、酸化反応の基質特異性は高いこと、一方、還元反応は基質特異性が低いことが明らかになった。 5.錐体に大量に発現している蛋白質ES1の機能の解明:ES1を本来発現していない桿体に発現させた。その結果、ミトコンドリアに野生体と異なる表現型が生じたので、ES1はミトコンドリア形成に関与することが示唆された。
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Research Products
(9 results)