2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 春木 Osaka University, 蛋白質研究所, 教授 (80134485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 賢吾 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60332293)
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Keywords | 生物物理 / 蛋白質の構造・機能予測 / 生体分子 / プロテオーム / 分子動力学 / バイオインフォマティクス / データベース / 蛋白質間相互作用 |
Research Abstract |
(1)蛋白質の相同相互作用データベースを拡充する:昨年度までに構築した信頼性の高いタンパク質間相互作用ネットワークからHubを同定し、Hub性をより明らかにするために、DNAマイクロアレイから得られる発現情報と合わせて解析を行った。具体的には、高等生物として最も興味深いヒトに対象を絞り、2009年4月時点でNCBIに登録されていたヒトの発現量データ18,800実験を利用し、各遺伝子間の共発現度合いを定量化して、共発現のパターンからHubを4つのカテゴリーに分類した。 (2)蛋白質間の複合体構造予測:昨年度開発を行った、ドッキングシミュレーション手法を引き続き蛋白質複合体予測コンテストCAPRIに応用し、2009年に出題されたTarget 40~43に連続してトップクラスの予測精度を達成することが出来た。 (3)McMD法によるCoupled folding and binding解析法の開発:転写因子CREBのpKIDドメインは天然変性状態であるが、CREBの転写共役因子であるCREB結合蛋白質のKIXドメインと結合するとヘリックス構造に折り畳まれる。この系に対するMcMDシミューレションを実施したところ、室温付近(315K)において、KIXドメイン質に近づくとpKIDがα-ヘリックス状態を取る事が確認された。また、神経特異的転写制御因子NRSFは、コリプレッサーSin3との結合時にヘリックス構造をとり、遊離状態では天然変性状態にある。この系に対するシミューレションを実施したところ、600KではNRSFはSin3と遊離しているが、300KではSin3の結合部位に結合し、NMRによって観測された複合体構造と類似のα-ヘリックスを形成している現象が観測された。一方、フリーなNRSFのフラグメントは、様々なランダムコイル状の構造を持っていることが判明した。
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