2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370064
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
米倉 功治 The Institute of Physical and Chemical Research, 米倉生休機構研究室, 准主任研究員 (50346144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米倉 さおり (眞木 さおり) 独立行政法人理化学研究所, タンパク質結晶構造解析研究グループ, 研究員 (20513386)
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Keywords | 構造生物学 / イオンチャネル / べん毛モーター |
Research Abstract |
細菌べん毛は、細胞膜を透過するイオンの流れをエネルギーとして回転する生体超分子モーターであり、約25種類以上の異なった蛋白質から構成される。現状では、その回転の機構はほとんどわかっていない。本申請研究では、イオン流のモーター回転力への変換を担う細胞膜中のナトリウムチャネルPomABの三次元構造を、低温電子顕微鏡法、X線結晶回折法により高分解能で解析し、回転機構の解明を目指している。 本年度は、PCRサーマルサイクラーを導入し、PomAB複合体の発現系の検討を行った。これまでC末端側にヒスチジンタグを付加したTacプロモーター制御の発現系を用いていたが、発現量があまり多くない上に精製法も複雑であった。そこでN末端側ヘタグ及びタグ切断サイトを導入し、pETの発現系を用いたところ蛋白質発現量に改善がみられた。現在、タグの切断条件、精製法等の検討を行っている。また、結晶化実験では、初期的な結晶が得られた。そこで、条件検討を効率よく進めるため、結晶観察用の実体顕微鏡システムを導入した。一方、電子顕微鏡法による解析では、単分散したPomAB試料の単粒子解析を続けている。同法では、分解能は限られるが、結晶化することなく試料の三次元構造を解析することができる。現在、負染色像と氷包埋像から三次元密度図を再構成し両者を用いて解析の検証を行うと共に、低温電子顕微鏡法により生理的な条件下に近い状態の構造をより高い分解能で解析するべく、引き続き氷包埋条件等の検討を進めている。今後、低温電子顕微鏡法、X線結晶構造解析法の両者を相補的に用いて、ナトリウムイオンの添加に伴う構造変化の可視化等を行い、イオン流のモーター回転力への変換機構の解明を目指す。
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Research Products
(12 results)