2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370065
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
光岡 薫 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディシナル情報研究センター, 研究チーム長 (60301230)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 卓生 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院生命情報工学系, 教授 (60251394)
佐伯 泰 (財)東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 主席研究員 (80462779)
|
Keywords | プロテアソーム / 単粒子解析 / 電子顕微鏡 / 三次元再構成 / 画像解析 / 酵母 |
Research Abstract |
昨年度までの研究で、化学架橋と密度勾配遠心を組み合わせた電子顕微鏡試料作製法(GraFix)を用いて、より安定で19Sの解離が少ない26Sの電子顕微鏡用試料が得られるようになった、しかし、そのGraFixを用いた電子顕微鏡試料作製における26S粒子の収量が安定しなかったので、産総研においても、試料を精製できるようにし、なるべく精製直後の試料を用いることなどで、26Sの粒子像が、より高頻度に得られる試料条件を検討した。 また、ユビキチン認識サブユニットRpn10を欠損した26S複合体について、低温電子顕微鏡を用いたデータ収集を進め、そのデフォーカスペアからの解析システムを九州工業大学で確立し、初期構造を得ることができた。しかし、他のグループから、この三次元構造が発表されたので、その後は、野生型について、データ収集を進めており、確立した解析システムを用いて、その三次元構造を早急に得ることができると考えている。 試料については、野生型以外に、プロテアソームの機能を制御していると考えられるプロテアソーム相互作用タンパク質群(PIPs:Proteasome-interacting proteins)の結合した構造が得られないか検討した。そこでPIPsの一つであるUbp6への金コロイドのラベル結合なども検討し、19Sの部分に金コロイドが結合した電子顕微鏡像などを得て、現在、そのような像が高頻度で得られる条件を検討している。また、GraFixを用いて、制御サブユニットが結合した試料が効率的に得られ、低温電子顕微鏡観察が行える条件も検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
安定な電子顕微鏡用試料を作製するための方法や、その試料からのデフォーカスペアを用いた単粒子解析システムなどを確立し、三次元構造を得るための基盤が確立した。現在、他のグループからの成果発表も続いており、確立したシステムを用いて、より機能に関連した立体構造を得るように、試料条件の検討を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに確立したシステムを用いて、早急に野生型の立体構造を得る。それと平行して、制御サブユニットが結合した試料作製条件の検討を進め、プロテアソームの制御機構のモデルが検討できるような立体構造を得ることを目指す。
|