2008 Fiscal Year Annual Research Report
Ctf18ーRFCローダー複合体とDNAポリメラーゼの分子間相互作用
Project/Area Number |
20370069
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
釣本 敏樹 Kyushu University, 理学研究院, 教授 (30163885)
|
Keywords | 複製フォーク / 染色体接着 / 修復 / DNAポリメラーゼ / クランプ |
Research Abstract |
複製クランプPCNAの第2のローダーで、染色体接着に必要とされるCtf18-RFC複合体が、DNAポリメラーゼと相互作用する分子機構の詳細を解明し、多様な反応に関与するDNAポリメラーゼが協調的に使い分けられる機構を明らかにすることを目的として研究を行い、以下の結果を得た。 1.染色体接着ローダーCtf18複合体とDNAポリメラーゼεの直接の相互作用の詳細を解析し、結合にはCtf18,Dcc1,Ctf8の染色体接着特異的サブユニットからなる複合体が関与することを明らかにした。さらにこの結合に必要な複合体形成に関与するCtf18の最小領域がC末端28残基であることを見出した。 2.DNAポリメラーゼε側のCtf18-RFCとの結合に必要なサブユニットを解析し、触媒サブユニットp261で十分であること、さらにこのサブユニットのポリメラーゼドメインの一部が結合に関与していることを明らかにした。これらのことより、Ctf18-RFCの結合によりDNAポリメラーゼεの触媒活性が制御される可能性が示された。 3.ヒト細胞でローダー複合体RFCおよびRad17と相互作用する因子を網羅的解析し、Ctf18結合因子として見出したRPA、MCMヘリカーゼ、DNAポリメラーゼεがこれらとも相互作用を持つ事を明らかにした。このことからローダーが中心となって複製フォーク構成因子の機能的連係を行っている機構が示唆された。 4.ヒト細胞でMCM複合体と特異的に相互作用する因子を網羅的に解析したところ、ローダー複合体構成サブユニットが見だされた。この知見は前項の結果をヘリカーゼ側から支持するとともに、ヘリカーゼとローダー間の相互作用の機能的重要性を強く示唆する。
|