2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370079
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 冬木 Kyoto University, 生命科学研究科, 教授 (30184493)
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Keywords | 細胞老化 / ヘテロクロマチン / NFkappaB / ヒストンH1 / HMGA |
Research Abstract |
我々は、テロメアの短小化や、低容量ストレスによって誘導される老化細胞において、ピストンH1が消失していることを見いだした。ピストンH1は、リンカーヒストンとしてほとんどの真核生物体細胞に保存して存在するものであり、それを完全に消失した体細胞の報告はこれまでにない。本研究は、老化細胞クロマチンが、ピストンH1の消失によってどのような構造的・機能的変化をとげ、それが翻って、細胞老化の成立にどのように寄与するのかを明らかにしようとするものである。まず、RNA干渉法を用いて、ピストンH1の発現を抑制したところ、細胞老化は誘導されなかった。ピストンH1は、クロマチンリンカー部分に、HMGA(high mobility group A)蛋白質と競合して結合することが知られており、我々および他のグループは、老化細胞において、HMGAの発現量が亢進していることを見いだしている。そこで、ヒストンH1の発現抑制とともに、HMGAの過剰発現を行ったところ、核クロマチン構造の凝縮をはじめとして、細胞老化表現型が誘導された。以上の結果は、クロマチンリンカー部分に結合するヒストンH1とHMGAの相対的量比が、細胞老化表現型の発現に重要であることを示している。次に、これらの老化細胞の遺伝子発現プロファイルをマイクロアレイにより解析したところ(東大・油谷博士との共同研究)、老化細胞では、NFkappaB経路が活性化されていることを見いだした。
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Research Products
(20 results)