2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370085
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大隅 圭太 Nagoya University, 理学研究科, 教授 (20221822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩渕 万里 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (40275350)
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Keywords | 胚発生 / 受精 / カルシウムシグナル / カエル卵 |
Research Abstract |
本研究は、動物の受精卵における、カルシウム/カルモジュリン(Ca^<2+>/CaM)依存性のタンパク質脱リン酸化酵素カルシニューリン(CaN)の生理的役割の解明、および、活性制御の相互連関性の解析、の2つを通じて、動物の受精卵において胚発生の開始を制御しているカルシウムシグナル経路の分子基盤解明への手掛かりを得ることを目的としている。平成21年度は、申請者の異動(東京工業大学から名古屋大学)による研究室の移設や実験室の改修などにより、放射性同位元素を用いた解析的実験をすることができず、予定していた、受精直後の卵に見られる賦活収縮時に化学的修飾状態(特にリン酸化状態)が変化する細胞骨格蛋白質の検索が充分にはなされなかった。その代わり、申請者らが開発した方法により調製した卵細胞の単離表層に含まれる細胞骨格(特にアクチンフィラメント)の制御蛋白質のウエスタン解析を行い、賦活反応前後の差異を検討した。その結果、アクチンフィラメントを細胞膜に結合させるのに重要と考えられるモエシンについては変化が検出できなかったが、収縮環形成に制御的役割を果たすと考えられているアニリンについては、電気泳動の移動度が賦活後の増加するのが認められた。また、定量ウエスタン解析の結果、卵に含まれるアニリンのうち、約12%が表層に局在し、その割合は、賦活前後で変化しなかった。以上の結果は、申請者らの調製した卵の単離表層を用いたウエスタン解析によって、表層細胞骨格系の制御因子を定量、定性的に調べることが可能であることを示している。
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