2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370085
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大隅 圭太 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (20221822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩渕 万里 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (40275350)
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Keywords | 胚発生 / 受精 / カルシウムシグナル / カエル卵 |
Research Abstract |
アフリカツメガエル卵母細胞の単離表層構成蛋白質を電気泳動的に解析した結果、これまでの7M尿素による抽出法では、この処理によって蛋白質の電気泳動上の異動度の変化が起こることが示され、この方法が適切ではないことが示唆された。そでまず、表層蛋白質の回収を視野に入れて卵母細胞表層の単離法に改良を加えた。接着剥離法により単離した表層を、緩衝液中で充分に洗浄した後、界面活性剤、次いで5M尿素で抽出を行い、最後に電気泳動用のサンプルバッファーで残りの成分を可溶化する3段階抽出法を確立した。各段階の抽出物について、成熟前、減数第一分裂期、成熟後の各卵母細胞間の電気泳動法比較を行ったところ、界面活性剤抽出成分および尿素抽出成分に、卵成熟前後で泳動上の異動度が変化する成分がいくつか見いだされた。 受精直後の卵に見られる賦活収縮の調節因子を調べるため、アクチン結合蛋白質anillin、formin、moesin、cortactinに対するウサギ抗血清を作製し、卵成熟期のそれらの動態をウエスタン法によって解析した。その結果、anillinについては、卵成熟の前後で卵細胞質中の量が約2倍に増加すること、また、単離表層に含まれる量は4倍に増加することが示された。この結果は、卵成熟期に新規合成されるanillinが優先的に表層に蓄積されることを示した。そこで、その生理的意義を調べるため、アンチセンスオリゴを用いてanillinの新規合成を抑制したが、特に影響は見られなかった。また、いずれの蛋白質についても、賦活前後では、量、電気泳動上の異動度に目立った変化はなく、成熟卵の賦活収縮との関連性は示されなかった。anillinについては、間期に異動度がわずかに増加するのが見られたが、フォスファターゼ処理後の異動度変化の解析から、これは細胞周期依存的なリン酸化によるものであることが示された。
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Research Products
(2 results)