2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370093
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
伊藤 道彦 Kitasato University, 理学部, 准教授 (90240994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 啓 北里大学, 理学部, 助教 (50458767)
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Keywords | 性決定 / 性決定遺伝子 / 両生類 / 脊椎動物 / 生殖巣 / 発現ヒエラルキー / プロモーター / 卵巣 |
Research Abstract |
脊椎動物の性決定遺伝子に関しては、XX/XY型の哺乳類及び魚類メダカにおいてのみ、そのY染色体上にそれぞれSRY、DMYが、♂を決定する遺伝子として同定されている。研究代表者らは最近、ZZ/ZW型様式を持つアフリカツメガエル(X.laevis)において、♀ゲノム特異的(W染色体リンク)遺伝子DM-Wを発見し、発現及び遺伝子導入個体の解析等から、DM-Wが性(♀)決定遺伝子である事を強く示唆する結果を得ていた(PNAS,2008gFeb.)。本研究は、脊椎動物の性決定システムを分子レベルで比較解析し、そこから性決定・性分化におけるシステム進化を議論し、新たな性進化モデルを提案する事を目的として、初年度である本年度は、その足掛かりとして以下の解析を行った。1、X.laevisではDM-Wが卵巣形成遺伝子発現ヒエラルキーの頂点に位置するという仮説の検証:DM-W発現トランスジェニック幼生の解析を行った所、ZZ(遺伝的♂)生殖巣で、Fox12遺伝子、アロマターゼ遺伝子Cyp19(性決定期から初期性分化期にZWの生殖巣で特異的に発現する)の上方制御が認められた。すなわちDM-WはFox12、Cyp19の♀特異的発現を誘導する事が示唆された(Okadaeettal. Sex. Dev. innpress)。 2、DM-W遺伝子の分子進化:X.laevissDMRT1のゲノムクローンを単離後、DM-W遺伝子構造と比較した所、DM-WはDMRT1の第1〜3エクソンの重複と新たな第4エクソンの創出によって誕生(分子進化)したと考えられた。3、DMRT1遺伝子進化・機能進化:DMRT1遺伝子のプロモーター進化を論ずるために、まず魚類、両生類、鳥類、哺乳類の各種において、転写開始点を同定した。また遺伝子導入動物の解析から、X.laevisにおいてDMRT1が精巣形成上位遺伝子である事が示唆された。
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Research Products
(4 results)