2010 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質復元に基づく古細菌、真正細菌、全生物の共通祖先の研究
Project/Area Number |
20370094
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
山岸 明彦 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (50158086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横堀 伸一 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (40291702)
赤沼 哲史 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (10321720)
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Keywords | 祖先型 / 古細菌 / 真正細菌 / NDK / ジャイレース / 耐熱性 / 活性 / コンセンサス |
Research Abstract |
NAジャイレースBサブユニットに関して、祖先型DNAジャイレースBサブユニットのN末側ドメインに相当するATPaseドメインの解析を行った。祖先型ATPaseドメインは好熱菌由来ATPaseドメインと同程度の高い耐熱性を有していることが示された。活性測定の結果からは、好熱菌由来ATPaseドメインより大きいATP加水分解活性を持つことが示された。コンセンサス配列からなるATPaseドメインも構築し、解析を行った。その結果、コンセンサスATPaseドメインは祖先型ATPaseドメインよりも耐熱性、活性ともに劣っており、祖先型ATPaseドメインの高い耐熱性と触媒活性は祖先型設計によるものであることが示された。 ヌクレオシドニリン酸キナーゼ(NDK)に関して、古細菌祖先型NDKと真正細菌祖先型NDKはどちらも高い耐熱性を示すが、古細菌祖先型NDKの変性温度は真正細菌祖先型NDKに比べて13℃高い。しかし、2つの祖先型NDKのアミノ酸配列を比べると12残基しか違わない。そこで、真正細菌祖先型NDKの古細菌祖先型NDKと異なっているアミノ酸部位に、古細菌祖先型アミノ酸を導入した12個の1アミノ酸置換体を作製し、その耐熱性を測定した。本研究の結果から、古細菌祖先型生物と真正細菌祖先型生物はどちらも耐熱性の高いタンパク質を保持しており、さらに古細菌祖先と真正細菌祖先の中間に位置すると予想される全生物共通祖先も耐熱性の高いタンパク質を保持していた可能性が高いことになる。ただし、復元した祖先型配列の正確性に関しては今後検討の余地がある。
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Research Products
(11 results)