2010 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活で受ける光の分光分布の違いがヒトのサーカデイアンリズムに及ぼす影響
Project/Area Number |
20370100
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
森田 健 福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (20326474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若村 智子 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40240452)
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Keywords | 環境 / 人類学 / 生理学 / 光 / 生体リズム |
Research Abstract |
本年度は昨年度に続き、携帯型照度・活動計を用いて、種々の日常生活下での受光(照度)・活動履歴の把握と、そのサーカデイアンリズム(睡眠・メラトニンリズム)への影響に関する分析を行った。これまで明確でなかった現在の都市生活者が日常生活の中で受ける光の量(照度)の実態を明らかにするとともに、睡眠評価とメラトニンリズムを把握し、両者の関係を個人内変動および受光履歴の視点を加味して考察することを目的とした。25~50歳の社会人12名を被験者として、毎月1週間12回調査を行った。睡眠の質を示す一つの指標である睡眠効率は春から夏に低く、秋から冬に高くなる傾向を示した。寝付きの良さを示す指標である睡眠潜時は、睡眠効率に比べその変化は明確ではないがほぼ同様の傾向を示した。このことは日中に経験する受光量の変動との関係が推測された。生活時間帯の中で経験する光の量と睡眠効率・潜時の関係においては、深夜および日中に浴びる光の量と睡眠効率・潜時に負の相関が認められた。すなわち、深夜に多くの光を浴びるほど睡眠の質が低下することであり、過去の知見を確認するものであった。しかし一方、日中に多くの光を浴びることが睡眠の質低下と関連していることとなり、これまで報告されてきた日中の高照度光環境の睡眠への影響とは異なる結果であった。日中の光と深夜の光の交互作用がこのメカニズムとして存在していることが考えられ、今後の検討事項として残された。
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Research Products
(2 results)