2008 Fiscal Year Annual Research Report
配偶体型自家不和合性の分子機構・起源・多様性の解析
Project/Area Number |
20380003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐々 英徳 Chiba University, 園芸学研究科, 准教授 (50295507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古藤田 信博 (独)農業・食品産業技術研究機構, 果樹研究所, 主任研究員 (50355426)
牛島 幸一郎 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (20379720)
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Keywords | 自家不和合性 / 雌ずい / 花粉 / Rnase / バラ科 / ナス科 |
Research Abstract |
自家不和合性は同じ個体あるいは遺伝的に近縁な個体からの花粉を雌ずいが認識・拒絶する機構であり、免疫を持たない植物における自他識別機構として古くダーウィンの時代から注目を集めてきた。また、その機構解明は、画期的植物品種改良(育種)技術や採種・栽培技術の開発にも直結する。最も多くの植物種に見られる機構である配偶体型自家不和合性は、申請者らの研究によって雌ずいと花粉双方の認識特異性決定遺伝子が同定されたが、それらの細胞内での機能や他の因子との相互作用など未解明で、分子機構の完全な解明にはほど遠いのが現状である。 本研究では、更にバラ科と類似した機構を持つナス科植物も対象に加え、遺伝分析、形質転換実験、タンパク質相互作用解析など様々なアプローチを駆使し、得られた知見をバラ科・ナス科間で相互に比較し、起源・進化の観点も含めて配偶体型自家不和合性機構の総合的解明を目指している。 ・リンゴ・ナシの花粉S遺伝子および非S因子の単離と解析 既に単離しているリンゴ・ナシの花粉S遺伝子候補SFBB(Sassaら2007)について、形質転換によって最終的な機能的証明を行うための実験を進めている。これまでに複数の形質転換ベクターの構築を終了し、順次形質転換実験を行っている。 ・ペチュニアの自家不和合性非5因子の単離と解析 ナス科植物の自家不和合性非S因子としては、HT-B遺伝子、120 Kタンパク質遺伝子が知られている。しかしペチュニアはナス科に属するものの、これら遺伝子は現時点では単離されていない。本年農はペチュニアのHT-B相同遺伝子を単離し、RNAiコンストラクトを作成してノックダウンによる機能痛析を行った。成果は論文として公表した(Puerta et al. J Exp Bot)。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Determination of partial genomic sequences and development of a CAPS -system of the S-RNase gene for the identification of 22 S haplotypes of apple (Malus x domestica Borkh.).2009
Author(s)
Kim, H. , Kakui, H., Kotoda, Na , Hirata, Y., Koba, T. and *Sassa, H.
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Journal Title
Mol Breed 23
Pages: 463-472
Peer Reviewed