2008 Fiscal Year Annual Research Report
落花生のQTL解析によるオレイン酸含有量の遺伝様式の解明とDNAマーカーの開発
Project/Area Number |
20380008
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
田畑 哲之 Kazusa DNA Research Institute, 副所長 (70197549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 祥子 (財)かずさDNA研究所, 植物ゲノム部・植物分子育種研究室, 主任研究員 (20343973)
青木 考 (財)かずさDNA研究所, 産業基盤開発研究部・生体機能応用研究室, 室長代理 (30344021)
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Keywords | 落花生 / DNAマーカー / オレイン酸 / 連鎖地図 / SNP / FAD遺伝子 |
Research Abstract |
油脂作物である落花生(Arachis hypogaea)は種子中に大量の脂肪酸を蓄積する。オレイン酸はリノール酸に比べて酸化しにくいため、品質が劣化しにくく人体に悪影響を与えないことから高オレイン酸含有量の落花生が求められている。一方、種子成分を改良する育種は従来の育種法では選抜が困難なことから、本研究では落花生の高オレイン酸含有量に関わる選抜DNAマーカーの開発を試みた。 解析集団としてオレイン酸含有量の異なる両親由来のF_2集団を作成し脂肪酸の含有量を測定したところ、解析を行った188個体中8個体が高いオレイン酸/リノール酸含有比を示した。また、オレイン酸からリノール酸への変換時に働く不飽和酵素を制御する遺伝子としてfad2およびfad6が同定されていることから、これらの遺伝子を中心に脂肪酸の合成経路に関わる遺伝子ファミリーをリストアップし、イントロンを挟むエクソン領域にプライマーを設計してF_2集団の両親である「八I-0311」と「ナカテユタカ」間の多型を検索した。その結果、リノール酸をほとんど生成しない「八I-0311」のFAD2AはSNPによるアミノ酸置換、FAD2Bはトランスポゾンの挿入による終止コドンの出現が原因で機能を失っていると考えられた。 これらの変異配列をもとに「ナカテユタカ」と「八I-0311」のFAD2AおよびFAD2B遺伝子の多型を検出するDNAマーカーを開発し、 F_2集団の脂肪酸の含有量をもとにオレイン酸/リノール酸比とFAD2AおよびFAD2B遺伝子の遺伝子型と比較した。この結果、FAD2AおよびFAD2B遺伝子の両者が変異型ホモの個体はオレイン酸/リノール酸比が高いことが明らかになった。すなわち、オレイン酸からリノール酸への変換を支配している遺伝子はこの2つの遺伝子であり、これらの変異を検出するDNAマーカーが選抜マーカーとして有効なことが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)