2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20380016
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤井 英二郎 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (40125951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 良文 千葉大学, 環境健康フィールド科学教育研究センター, 教授 (40126256)
章 俊華 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (40375613)
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Keywords | 日本庭園 / 認知科学 / 眼球運動 / 対植 / 透かし植栽 / 脳血流量 / 香り / 言語評価 |
Research Abstract |
本研究は、日本庭園の特徴的構成のうち、1)異なるパターンの対植、2)透かしのない植栽とある植栽、を対象に、韓国、中国、アメリカ合衆国の人々の認知過程を比較・解析し、日本庭園の特徴的構成と日本人の認知特性の関係を解明することを目的としている。 1)異なるパターンの対植に対する日本人と韓国人の眼球運動を比較した朴ら(2006)、それらとアメリカ人の眼球運動を比較した佐野ら(2009)を踏まえ、中国人を対象にした実験を行う予定であったが、尖閣列島近海での中国漁船衝突事件によって中国での実験が困難になったことから、韓国と日本の代表的庭園構成樹種であるマツとウメの香りに対する韓国人、日本人被験者の反応を比較した結果、ウメの花の香りに対する日本人被験者の反応は交感神経系優位で言語・運動・記憶野の脳血流量が増加し言語評価で心地よく評価され活気も増したことからウメの花の香りが生理・心理的に活性化させる効果があることが明らかとなった。また、マツの葉の香りに対する韓国人被験者の反応においては運動・記憶野・感情・判断領域の脳血流量が増加し言語評価では自然で農村的な印象が持たれ活気が大きく増加した(Jo,H. et al,2010)。したがって、日韓の代表的庭園構成樹種が両国の人々の生理・心理に大きな反応をもたらすことが明らかとなった。 2)透かしの有無に対する眼球運動及び脳血流量を同時計測する実験を日本人被験者を対象にして行った。対象樹種は日本庭園の代表的構成樹種であるマツと世界の庭園で広く見られる縦長楕円形の樹形をもつ常緑広葉樹としてツバキを対象に樹冠が密な個体と透かした個体を用いた。眼球運動と脳血流量の同時計測は長年の課題であったが、最新の眼球運動計測装置を使うことで多くの被験者で同時計測ができ、目下データ解析を進めているところである。
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Research Products
(3 results)