2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報を利用した超多収栽培用トマト品種の育成-染色体部分置換系統の利用-
Project/Area Number |
20380017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 信男 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30012040)
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Keywords | 開花 / トマト / 量的形質遺伝子座 / QTL |
Research Abstract |
トマトの栽培種Splanum lycopersicum 'M570018'とトマトの野生種S.pimpinellifolium'PI124039'の交配に由来する組換え近交系BC1F6集団101系統を,育苗温度を30/25℃と25/20℃に変えて栽培し,開花時期に蘭するQTL解析を行った。その結果,開花までの目数に関するQTL(DTF QTL)が第1染色体の異なる位置に3つ検出された。このうち,マーカーLEATPACAとSSR105近傍のDTF QTLは高温下で,C2_At5g49480近傍のDTF QTLは温度条件に関わらず検出された。また,第3染色体のマーカーC2_At5g51110とSSR22の近傍には,それぞれ高温下で発現するDTF QTLが検出された。一方,第一花房下葉数のQTL(LN QTL)は第3染色体に2つ,第6,ll染色体に各1つが検出された。第3染色体と第6染色体のLN QTLは温度条件に関わらず検出されたが,第11染色体のLN QTLは低温下のみ検出された。これらの結果から,育苗温度によって発現するQTLに差があることが明らかになった。また,第3染色体の2つのLN QTLはDTF QTLとほぼ同じ位置に検出された。 開花時期を制御するQTLの位置と機能をより詳細に明らかにするため,染色体部分置換系統を育成した。すなわち,トマト'M570018'とトマトの野生種S.pimpinellifolium 'PI124039'の交配に由来する戻し交配系統BC2F1集団の個体に反復親'M570018'を交配してBC3F1系統を育成した。この集団について多型解析を行い,目的とする部分のみが置換された個体56系統を選抜した。この結果,第1染色体下腕部,第9,10染色体を除く領域をカバーする部分置換系統群が作成できた。現在,残りの領域をカバーする系統群を育成中である。
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Research Products
(2 results)