2011 Fiscal Year Annual Research Report
DNAアレイと成熟不全変異体、形質転換体トマトを用いた果実成熟制御鍵因子の解析
Project/Area Number |
20380022
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久保 康隆 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80167387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 健太郎 明治大学, 農学部, 准教授 (00446543)
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Keywords | アレイ解析 / 果実成熟 / エチレン信号伝達系 / GRAS / 形質転換体 |
Research Abstract |
前年度までの解析によって、果実成熟の前後で遺伝子発現レベルが急激に増加する因子として、GRAS,S-adenosyl-L-homocystein hydrase,TDR4およびTDR6、逆に成熟に伴って発現レベルが顕著に低下する因子としてbZIP因子が抽出された。これらの因子の発現をDNAアレイによって、EIN3/EIL抑制形質転換トマトおよび野生型トマト果実において解析したところ、いずれも開花後50日後でも発現増加がみられず、外生エチレン処理にも反応しなかった。したがって、これらの因子は完全にエチレン信号伝達系の下流に位置するものと推察された。これらの転写制御因子について、その全鎖長cDNAをトマトナショナルバイオリソースから供給を受け、ノーザン分析およびリアルタイムPCR分析によって発現パターンの再検討を行った。その結果、DNAアレイでの解析結果とほぼ同様な傾向を示した。抽出された転写制御因子GRASついてアグロバクテリウムをベクターとしたGFPと35Sプロモーターを使ったコンストラクトを構築し、RNAinterference法を用いて、発現抑制形質転換トマトを作出した。8系統についてGFP発光によって形質転換系統であることを確認し、その内1系統については果実成熟までの観察が完了した。この系統においては、野生型トマトの成熟様相と大きな違いは認められず、GRAS因子の抑制も認められなかった。現在、残りの系統の表現型解析を進めている。また、トマト果実と同じクライマクテリック型果実に属するキウイフルーツ果実を対照として、果実成熟制御因子として低温遭遇の役割についても検討した。
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Research Products
(2 results)