2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20380026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇垣 正志 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20323438)
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Keywords | 植物ウイルス / ジェミニウイルス / カリモウイルス / 細胞骨格 |
Research Abstract |
植物DNAウイルスは、媒介昆虫により機械的に植物細胞内に侵入したのち、複製の場である核等へと細胞質を移行し、複製後、細胞質を移行して隣接細胞への通路である原形質連絡に至る。この細胞質移行の機構は不明であるが、ブラウン運動による自然拡散ではない。なぜなら、細胞質にはオルガネラや細胞骨格が密に存在しており概ね20nm以上の構造物はほとんど動けないが、植物DNAウイルスの粒子は数十nmの大きさがあるからである。そこで、植物DNAウイルスがモータータンパク質であるkinesin, dyneinあるいはmyosinと結合し、細胞骨格である微小管あるいはアクチン繊維を利用して細胞質を移行する可能性の検証を行っている。ジェミニウイルス科クルトウイルス属のBSCTVおよびカリモウイルス科カリモウイルス属のCaMVの感染性クローンを構築し、モデル植物であるシロイヌナズナへの感染系を確立した。CaMVの感染に対する微小管形成阻害剤propyzamide(Prop)およびアクチン繊維形成阻害剤latrunculin B(LatB)の影響を調べたところ、両者ともウイルス感染率を低下させたが、LatBの影響がより大きく、アクチン繊維の重要性が示唆された。そこで、複数存在するmyosin遺伝子のそれぞれの発現を抑制するためのRNAサイレンシングコンストラクトを作成した。同時に、各myosin遺伝子産物とCaMVの粒子表面タンパク質P3、CPとの相互作用を酵母ツーハイブリッド法により検証している。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Analysis of rice RNA-dependent RNA polymerase 1(OsRDR1)in virus-mediated RNA silencing after particle bombardment2010
Author(s)
Chen, H., Tamai, A., Mori, M., Ugaki, M., Tanaka, Y., Samadder, PP., Miyao, A., Hirochika, H., Yamaoka, N., Nishiguchi, M.
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Journal Title
Journal of General Plant Pathology 76
Pages: 152-160
Peer Reviewed
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