2010 Fiscal Year Annual Research Report
社会性寄生蜂における兵隊カースト比の性特異的調節機構
Project/Area Number |
20380032
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岩淵 喜久男 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (00203399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 令一 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30235428)
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Keywords | 社会性 / 寄生蜂 / カースト |
Research Abstract |
研究計画に従い、下記の項目について検討した。 1. 他の寄生蜂に対する雌雄による対応の違いの解明 他の寄生蜂による過寄生により、雌では兵隊カーストの増員が誘導されることから、胚子期における増員現象を把握するための分子マーカーとしてvasa抗体を作製した。vasa遺伝子情報から合成したアミノ酸をもとに作製したが、この過程で、vasa遺伝子は米国産の多胚性寄生蜂とは塩基配列の一部が異なっていることが明らかとなった。 2. 他の寄生蜂に対する液性攻撃因子の解析 多胚性寄生蜂の性によって液性因子の作用に差異があり、雌に比べて雄のほうが強力で、他の寄生蜂を卵の段階で排除可能なことを明らかにした。この因子は熱に不安定なタンパク質であることが明らかになったが、雌雄での差異の解明には至らなかった。 3. 宿主体内に雌雄の多胚が存在するときの兵隊カースト比の解析 前年度より作製中のマイクロサテライトの開発を進め、これまでに9種類のマーカーを開発した。これらは血縁の異なる親由来の多胚が混在するときに生産される生殖個体の解析に使用し、これを明らかにした。さらに国内6地域の地域個体群について交配集団数の推定をおこなった。 4. 本年度は最終年度であることから、研究成果全体を総合的に解析し、カースト調節機構の推定ならびに本種における兵隊カーストの進化について行動生態学的な解析をおこなった。これらの研究成果について論文発表するため、2報を投稿、3報の投稿準備を進めた。
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Research Products
(2 results)