2008 Fiscal Year Annual Research Report
Cryトキシンをオーダーメイド化するための基礎研究
Project/Area Number |
20380036
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
早川 徹 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 助教 (30313555)
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Keywords | Bacillus thuringiensis / Cryトキシン / ループ置換変異体 / Culex pipiens / Cry4Aa / Bombyx mori / Enhancin3 |
Research Abstract |
抵抗性昆虫の出現等にも柔軟に対応できるオーダーメイド可能なCryトキシンの開発を目的として、本年度は主にCry4Aaの殺虫活性に関与する機能構造について解析した。 まず、コドンを置換した人工Cry4Aa遺伝子を構築(Hayakawa et al., 2008)し、大腸菌を用いて効率的にCry4Aaを調製できるシステムを開発した。次にCry4AaドメインII領域に位置する3つのloop構造(loops1〜3)に注目し、loop1及び2、3の1つを残りの何れかのloopに置き換えた6種の変異体を構築した結果、loop2を持たない変異体でのみ殺虫活性が失われており、Cry4Aaの殺虫活性にloop2のみが必須であると考えられた(Mohammad et al., in press)。またこれら変異体のloop1及びloop3部位にloop2の配列を挿入しても活性が復活しなかったことから、loop2は本来の位置に存在する必要があると考えられた。Cry4Aaの殺虫活性におけるLoop構造の役割についてはアラニン残基を導入する変異体の構築を通して今後も詳細な解析を進めていく。 本年度は囲食膜を破壊する事で防除を効率化するシステムの構築を目的とした研究も進めた。バキュロウイルス(XcGV)由来のプロテアーゼ(エンハンシン3)をGST融合タンパク質(GST-XcE3)として大腸菌で発現させた結果、不溶性の封入体を形成した。これはバキュロウイルスの発現系を用いた場合でも改善されなかった。しかし8M尿素で可溶化・リフォールディングしたGST-XcE3を用いてバイオアッセイを行なった結果、カイコに対するCry1Aaの殺虫活性が促進され、エンハンシン3による囲食膜破壊がCryトキシンの殺虫力増強に有効である事が示された。今後はエンハンシン3の調製方法の改善が課題となる。
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Research Products
(7 results)