2010 Fiscal Year Annual Research Report
Cryトキシンをオーダーメイド化するための基礎研究
Project/Area Number |
20380036
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
早川 徹 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (30313555)
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Keywords | Bacillus thuringiensis / Cry toxin / Cry4Aa / 細菌 / 害虫防除 / タンパク質生産 / 蚊 |
Research Abstract |
1.受容体結合部位の探索:受容体結合部位の候補として、Cry4Aaのループ1~3以外のループについてもそのアミノ酸をアラニンに置換した変異体(Lβ1-α8-A及びLβ4-β5-A、Lβ8-β9-A)構築を通して解析した。しかしバイオアッセイでは、これら変異体も野生型のトキシンと同様な殺虫活性(LC50=2.99及び2.24、1.69μg/ml)を示した(未発表データ)。この結果はCry4AaドメインIIの分子表面に露出するループ構造の何れも受容体結合に関与しない。もしくは幾つかのループ構造が補完しあう形で受容体に結合する可能性を示唆した。今後は方針を少し転換して、Cry4Aaに由来するポリペプチドを用いた競合実験を通して解析を進める。 2.殺虫スペクトルをコントロールする技術の開発:Cry4Aaループ2の機能は明らかでないが、他のCryトキシンとの構造的な類似性から受容体結合部位として機能する可能性が高い。本研究では前年度からループ2にランダム変異を導入したCry4Aa変異体ライブラリーの構築を進めているが、効率(0.3-0.5%)に問題があった。本年度は変異体構築に用いるプライマーの配列に改良を加え、この効率を4.2%にまで上昇させることに成功した。現在、ライブラリーのスケールは60クローン程度であり、これをさらに拡充することと変異体の性状を解析することが次の課題となる。 3.効率の良い防除法の開発:まずタンパク質の大量調整法の開発に着手した。その過程で、Cry4AaのC末端領域に連結したタンパク質のクリスタル様凝集体を形成させる因子(ポリペプチド)が存在することを明らかにし、それがタンパク質生産用のタグとして有効であることを示した(Hayakawa et al.,2010)。本生産系は、可溶性タンパク質の製剤化を容易にし、防除法の開発における選択肢も広がると考えている。
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Research Products
(10 results)