2011 Fiscal Year Annual Research Report
Cryトキシンをオーダーメイド化するための基礎研究
Project/Area Number |
20380036
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
早川 徹 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (30313555)
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Keywords | 昆虫 / 細菌 / Cryトキシン / 害虫防除 / 遺伝子組換え / 蚊 / Bacillus thuringiensis |
Research Abstract |
本研究では殺虫活性をコントロールする目的で、Cry4Aaの受容体結合部位を明らかにしようとした。これまではドメインIIのループ構造を改変した様々な変異体を構築し、Cry4Aaの複数のループ構造が協調・補完する形で殺虫活性を発現させることを示唆した。本年度はドメインIIを分割したポリペプチド(分子表面に露出するループ構造を一つずつ含む6種類のポリペプチド)を構築し、本研究の過程で開発したペプチドタグ4AaCterとの融合タンパク質として発現させた。本システムを用いれば、殺虫活性に直結する複数の部位を同時に解析できる。ポリペプチドをアルカリ可溶性の凝集体として生産することに成功し、アカイエカ幼虫を用いたバイオアッセイを進めている。現時点では変異体構築で得られた結果と同様に、一種類のポリペプチドだけではCry4Aaの殺虫活性に大きな影響を与えないことが明らかになっている。 また、本研究では活性増強型Cry4Aaを得る目的で、ドメインIIのループ2領域をランダムなアミノ酸配列に置換した変異体ライブラリーを構築した。スクリーニングの過程で、ユニークな3つの変異体を発見して構造を決定した(ループ2に野生型と異なるアミノ酸配列を含み、その後に終止コドンを持つC末端欠失変異体)。これらの変異体は野生型Cry4Aaとは全く異なる様式で殺虫活性を発揮していることが考えられ、さらに詳細な解析を進めている。 最後に作用機構の異なる3種類の昆虫特異的サソリトキシン(AahIT1,LqhdprIT3,BjαIT)をCry4Aaの殺虫増強剤として利用することを考えた。遺伝子を人工合成し、4AaCterタグを利用してタンパク質を調製することに成功した。アカイエカ幼虫を用いたバイオアッセイの結果、AahIT1についてはCry4Aaの殺虫活性を最大3.5倍助長する成果が得られている。
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Research Products
(5 results)