2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20380037
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
徳田 岳 University of the Ryukyus, 熱帯生物圏研究センター, 助教 (90322750)
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Keywords | 応用動物 / 昆虫 / 酵素 / セルラーゼ / 共生細菌 |
Research Abstract |
本研究ではこれまでのシロアリセルラーゼ研究で蓄えたノウハウを最大限生かしながら、原生動物を共生しないいわゆる高等シロアリ類を中心に、(1)後腸内共生バクテリアのセルラーゼの精製および遺伝子の特定、(2)共生バクテリアがセルロソーム類似物によってセルロース分解を行うこと、(3)セルロソーム類似物構造の特定、そして(4)その性能の評価および更なる改変の可能性について研究を行い、本研究に基づいた効率的なリグノセルロース消化系モデルの提示を目指している。 今年度は、タカサゴシロアリ後腸抽出物からのリグノセルロース分解酵素の精製ならびにアミノ酸配列の解析を試みた。タカサゴシロアリ30gを超純水中でホモジナイズし、抽出物をSPカラムに通した。酵素活性を示した分画をMonoSカラムで分離した後、ゲル濾過と限外濾過を組み合わせて精製した。完全な精製には至らなかったが、部分精製物について電気泳動後のバンドをN末端アミノ酸分析(各15残基)により解析した。しかしながら、これらは既知のリグノセルロース分解酵素と高いホモロジーは示しておらず、今後遺伝子の解析が必要である。また効率的な精製のため、内源性酵素を認識する抗体作製も行った。 さらに、電気泳動の組み合わせによる後腸沈殿抽出物からのセルラーゼ精製も試みた。後腸沈殿をCelLytic Bで処理し、100kDa以上の抽出物をスピンカラムで濃縮した。これをnative-PAGEで分離し、セルラーゼ活性を示す部分をゲルから切り出し、酵素を溶出した。さらに溶出物を濃縮し、未変性SDS-PAGEとZymogramによって解析したところ、約3本のメジャーなバンドが確認された。これらを現在濃縮しており、次年度さらにアミノ酸解析を行う予定である。
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