2009 Fiscal Year Annual Research Report
モータータンパク質融合型キチン合成酵素の機能と分子動態に関する総合的研究
Project/Area Number |
20380045
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀内 裕之 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (00209280)
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Keywords | 微生物 / バイオテクノロジー / 糸状菌 / Yarrowia / 細胞壁 |
Research Abstract |
平成21年度はAspergillus nidulansのCsmA、CsmBと細胞表層において相互作用するタンパク質の検索としてまずこれらタンパク質同士の相互作用について検討するため、CsmAにHAタグ、CsmBにFLAGタグを付加したものを発現できるA.nidulans株を作製し、フリーズフラクチャー法を用いた免疫電子顕微鏡観察を行った。その結果、CsmA-HAとCsmB-FLAGは細胞表層において近接して存在するものもみられ、一部のCsmA-HAとCsmB-FLAGは細胞表層で複合体を形成している可能性が考えられた。そこでこの可能性について現在two-hybrid法、免疫沈降法により検討中である。またCsmAまたはCsmBと相互作用するタンパク質の候補としてSaccharomyces cerevisiaeのSKT5/CHS4のオルソログ3遺伝子をA.nidulansのゲノム配列中から同定しこれらの機能を明らかにするためこれら遺伝子の破壊株を作製してその表現型の解析を行った。その結果、そのうち一つの破壊株では生育がキチン結合性の色素であるCalcofluor white(CFW)に対して耐性になるものが存在した。この破壊株は菌糸表層のキチンの分布に異常が見られ、キチン合成酵素の機能に異常が生じていることが推定された。 Yarrowia lipolyticaを用いた解析ではcsmA、csmBのそれぞれのオルソログcsm1、csm2の遺伝子破壊株を作製しそれら破壊株の生育がCFWに感受性になることを前年度報告したが、本年度はCsm1にHAのタグを付加した融合タンパク質を発現できる株を作製しCsm1-HAのY.lipolytica細胞内での局在部位の解析を行った。その結果、Csm1-HAは細胞の先端部、母細胞と娘細胞の間の隔壁部に局在化していることが明らかになった。このことからY.lipolytica Csm1もA.nidulansのCsmA、CsmB同様細胞の極性生長と隔壁形成に機能していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)