2008 Fiscal Year Annual Research Report
微好気環境に特異的な微生物代謝とその制御に関する研究
Project/Area Number |
20380046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 博之 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (70291052)
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Keywords | 好気 / 嫌気 / 微好気 / 呼吸 / 光合成 / 微生物 / 脱窒 |
Research Abstract |
緑膿菌に関しては、5種の酸素呼吸酵素(aa3, cbb3-1, cbb3-2, cyo, CIO)について種々の酸素濃度、炭素源、ストレス条件で培養し、1acZとの転写融合により発現パターンを調べるとともに、各酵素遺伝子の欠損株および1種のみを残した四重変異株を作製し、その表現型から各酵素の機能分担を解析した。その結果、ebb3-1が主要な役割を果たし、aa3は飢餓条件、cbb3-2が低酸素条件、cyoが活性窒素ストレスや鉄欠乏条件、CIOがシアン等の化学ストレス耐性に働いていることが示された。さらに、マイクロアレイを用いて微好気特異的および好気から微好気へシフトした際に一時的に発現する遺伝子を網羅的に解析した。特異的な発現が見られた一部の遺伝子については、その機能を調べるために変異株を作製中である。 Rhodobacter sphaeroidesに関しては、微好気条件でニトロシル化ストレスに応答する遺伝子、および、その発現に必要と予想されるNO応答調節因子NnrRのレギュロンをマイクロアレイにより解析した。また、微好気条件での酸素呼吸に主要な役割を果たすcbb3 oxidaseの欠損株の表現型を解析したところ、プロファージの自発的な離脱が認められた。 R. sphaeroidesと類縁で好気条件で光合成装置と脱窒酵素を発現するRoseobacter denitrificansも研究対象に加え、脱窒遺伝子発現調節機構を解析した。 Hydrogenobacter thermophilusに関しては、全ゲノム配列の解読とアノテ-ションを完了した。比較ゲノム解析から、本菌は特徴的な酸素呼吸関連および酸素耐性関連遺伝子を有していることが明らかになった。
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