2009 Fiscal Year Annual Research Report
微好気環境に特異的な微生物代謝とその制御に関する研究
Project/Area Number |
20380046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 博之 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (70291052)
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Keywords | 好気 / 嫌気 / 微好気 / 呼吸 / 光合成 / 微生物 / 脱窒 / 緑膿菌 |
Research Abstract |
緑膿菌に関しては、酸素呼吸における5種の末端酸化酵素(aa_3,cbb_3-1,cbb_3-2,cyo,CIO)のうち1種のみを残した四重変異株を用いて、各酵素の酸素親和性の測定と表現型の解析を行った。その結果、cbb_3-1とcbb_3-2は非常に酸素親和性が高いのに対し、他の3種は同等に親和性が低かった。aa_3 oxidaseのみを保持する四重変異株は好気条件では生育できなかったが、好気条件で馴養することにより生育するように変化したサプレッサー株が得られた。サプレッサー株の変異解析から、野生株においてaa_3の発現が抑制される機構を明らかにした。これらの結果から、緑膿菌では他の一般的な好気性細菌とは異なり、高酸素親和性のcbb_3タイプ酵素が常に主要に働くように制御されていることが明らかになった。さらに、マイクロアレイを用いて、転写制御因子ANRとRoxSRが微好気応答に果たす役割を明らかにした。 光合成細菌Rhodobacter sphaeroidesに関しては、微好気条件における一酸化窒素応答とNnrRのレギュロンのトランスクリプトーム解析から、鉄濃度を感知する転写調節因子Furと、その制御下にある鉄取り込み系が微好気条件下での生存に重要である可能性が示された。 好熱性水素細菌Hydrogenobacter thermophilusに関しては、全ゲノム配列のデータベース登録を完了した(Accession no.AP011112)。ゲノム情報を基にタイリングアレイを作製し、マイクロアレイ解析に必要な各種条件検討を行った後に、生育フェーズに特異的なトランスクリプトーム解析を行った。
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Research Products
(21 results)