2010 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子群の協調と競合によるバイオマス分解酵素の生産制御
Project/Area Number |
20380048
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 哲夫 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (20170334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金丸 京子 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (00420365)
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Keywords | 真菌類 / 発現制御 / バイオマス / 応用微生物 / 遺伝子 / キシラナーゼ / セルラーゼ / マンナナーゼ |
Research Abstract |
キシラナーゼ、セルラーゼ生産を制御するXlnR、その相同因子AraR、マンナナーゼ、セルラーゼ生産を制御するManR、セルラーゼ生産に関与する広域転写因子TF-Xについて解析を行った。XlnRは可逆的な誘導物質依存的リン酸化を受けることが前年度までに明らかになっていたため、リン酸化がDNA結合に与える影響を解析した結果、XlnRはリン酸化状態に関わらずDNAに結合できる事が明らかとなった。従って、XlnRの活性はDNA上で制御されると考えられる。AraRについては、EMSAを用いてアラビノースレダクターゼ遺伝子のプロモーター上のDNA結合配列を明らかにした。決定されたDNA結合コンセンサスは、DNAマイクロアレイから推定したAraR標的遺伝子のほとんどのプロモーターに存在していた。以上の解析はA.oryzaeを用いたが、ManRについてはセルラーゼ生産能が微弱なA.oryzaeでは解析困難であった。そこで、A.nidulansのオルソログ遺伝子を同定し、破壊株作製した。その結果によると、A.nidulans ManRの標的遺伝子はA.oryzaeとは多少異なるようである。TF-Xについては、DNA結合特性をEMSAにより解析し、様々なセルラーゼプロモーターに結合することを示すとともに、それらセルラーゼ遺伝子がTF-X変異株では発現低下することを、定量的RT-PCRにより明らかにした。
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