2008 Fiscal Year Annual Research Report
細菌鞭毛フラジェリンの構造機能相関と細胞表層局在化機構
Project/Area Number |
20380049
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村田 幸作 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (90142299)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 渉 京都大学, 農学研究科, 准教授 (30273519)
三上 文三 京都大学, 農学研究科, 教授 (40135611)
|
Keywords | フラジェリン / 鞭毛 / 細菌細胞表層構造 / X線結晶構造 / ペプチドグリカン分解酵素 / 体腔形成細菌 / アルギン酸 / フラジェリン進化 |
Research Abstract |
高分子多糖アルギン酸資化性細菌(Sphingomonas sp.A1)は、細胞表層分子の流動により細胞表層に体腔を形成し、体腔に局在したアルギン酸特異的ABCトランスポーターによってアルギン酸を細胞質に取り込む。この場合、(1)体腔形勢はアルギン酸に依存した情報に左右され、(2)細胞表層には強力なアルギン酸結合能を有する二種類の鞭毛タンパク質フラジェリンが発現する。つまり、フラジェリンが体腔形成のシグナル伝達に関与するアルギン酸レセプターとして細胞表層に発現すること、並びにフラジェリンの基部体依存的細胞表層提示システムの存在が示唆された。そこで、アルギン酸レセプターとして機能する鞭毛非依存型フラジェリンの高次構造とアルギン酸結合機能との相関を解析した。また、基部体依存的細胞表層提示システムの存在を明確にするため、ペプチドグリカン分解酵素の性状、遺伝子構造、及びX線結晶構造を解析したその結果、フラジェリンのアルギン酸結合には、フラジェリン分子のN末端53残基或いはC末端45残基が関与していることを明らかにした。また、INモチーフを持つフラジェリンのX線結晶構造を決定した。ペプチドグリカン分解酵素は、Micrococcus luteusに対して溶菌活性を示し、反応至適pHと温度を各々7.5と37℃に持つこと、及び円偏光二色性スペクトルよりα構造を多く含むタンパク質であることを明らかにした。また、リン酸アンモニウムを沈殿剤とした蒸気拡散平衡法により本タンパク質を結晶化し、X線回折データより本結晶は正方晶系P41212の空間群に属し、非対称単位あたり1分子を含むことを明らかにした。
|
Research Products
(7 results)